科研費LaTeX - 2007(H19)年度版

科研費LaTeXとは

「科研費 LaTeX」は、日本学術振興会と文部科学省の科学研究費補助金の応募の書類を、 LaTeX で書くためのものです。これにより論文で使い慣れた方法で、数式や記号、箇条書きなどを楽に美しく書くことができます。

今までも、科研費の応募書類のLaTeX化は科研費マクロとして、有志によって長年行われてきました。今回の「科研費LaTeX」は、これとはまた別に、日本学術振興会の学術システム研究センターの数物系科学専門調査班の活動の一つとして、始めたものです。

基本的な考え方

今回公開する「科研費 LaTeX」の基本方針は、 PDF (もしくはWord）で提供されている様式を利用し、普段用いている LaTeX の知識で、できるだけ単純に書類を作ろうというものです。

基本的な手法は次の通りです。

公開されている PDFやWord の様式を1ページごとに切り分けた PDF と eps のファイルを用意しました。これらのファイルを各ページで ¥includegraphics を用いて図形として取り込みます。
あとは、枠の位置を指定して、その中に文章や表を流し込みます。

この手法には、次の利点があります。

学振の提供しているPDF(文科省の場合はWord)の様式をそのまま用いるため、様式が公式のものと完全に一致します。(Wordの場合は、システムやversionの違いによる系統誤差の範囲内で）
様式に埋め込む文字の場所は、LaTeXのソースの中で簡単なマクロを用いて指定されているため、必要であればユーザーが簡単に微調整できます。
上の二つと同じ理由により、TeXの専門知識を持たない人でも、 LaTeXの様式の毎年の更新を比較的短時間で行うことができます。

マニュアルと例

使い方のマニュアル(2006.10.14改訂)
ソースファイルの例
- def形式（ユーザーの書く内容と、書式を分離した形式）研究目的、予算の表
- raw形式（ユーザーの書く内容と、書式の定義をまとめた形式）研究目的、予算の表
出力例(PDF) 基盤(A,B)(一般)、予算と研究組織のまとめ

News

2006-10-27 特定領域新規領域、特定領域計画研究、特定領域公募研究で、文章が枠外にはみ出る問題を修正。
2006-10-24 基盤海外、若手の「研究計画・方法」の欄で、文字が枠の下にはみ出る問題を修正。その他、基盤AB, C, Sについても、若干文章を入れる領域を微調整。
2006-10-22 予算のまとめの表とともに作られる研究組織表(group.tex)の人数の合計が一人多かった座敷童bugを修正。
2006-10-22 xdvi で見た時などに、ページカウントがずれる点を修正。また、基盤継続の枠のズレを修正。
2006-10-20 一つの項目内での文字の大きさや行間などのスタイルの変更が、他の項目に及ばないようにした。
2006-10-17 基盤AB, C, S, 海外、若手、萌芽で「研究費の応募・エフォート」の(研究代表者氏名)を修正。
2006-10-14a 継続以外の学振の種目と特別推進、特定領域で、 warningの表示を見えやすくした。
2006-10-14 特定領域新規領域、特定領域継続領域計画研究(新規)でもページをまたがって内容を書けるようにした。 (その仕組み) これにて、全種目で、ページをまたがった項目を連続して書けるようになり、余分なページのチェックも行われるようになった。
2006-10-13 基盤研究S, AB, C, 海外、萌芽、若手において、余分なページが足されるとWarningが出るようにした。
2006-10-12 基盤研究AB, C, 海外のPDFの様式を更新
2006-10-12 特定領域公募研究も「研究計画つづき」などを別個に書かなくてよいように改良。
2006-10-07 基盤研究(S)についても、「研究目的つづき」などを別個に書かなくてもよいように改良。
2006-10-06 基盤研究A,B,C,海外、継続、若手について、「研究目的つづき」などを別個に書かなくてもよいように大幅改良。
2006-09-30 特別推進研究(新規) 様式S-1-1 を大幅改良。
2006-09-25 文部科学省の科研費の応募書類のLaTeX様式を公開。
それにともない、マニュアル(Readme.pdf)も更新。
2006-09-24 学振の６種目の「応募中の研究費」の中の字の大きさを修正。
2006-09-19 Minor correction: kakenhi.styに入っていた「才」の字を消す。
2006-09-14 日本学術振興会の科研費の応募書類(７種目)のLaTeX様式を公開。

Download - 2007(H19)年度

Mirror sites : 国立天文台、阪大
マニュアル
日本学術振興会 2007(H19)年度 (2006年秋応募分)
- 基盤研究 (S)
  　様式 S-1-8 (tar.gz) (zip) (2006.10.24)
- 基盤研究(A,B) (一般)
  　様式 S-1-9 (tar.gz) (zip) (2006.10.24)
- 基盤研究(C)(一般)
  　様式S-1-10 (tar.gz) (zip) (2006.10.24)
- 基盤研究 (A,B) (海外学術調査)
  　様式 S-1-11 (tar.gz), (zip) (2006.10.24)
- 萌芽研究
  　様式 S-1-12 (tar.gz), (zip) (2006.10.22)
- 若手研究 (A,B)
  　様式 S-1-13 (tar.gz) , (zip) (2006.10.24)
- 継続
  　様式 S-1-14 (tar.gz), (zip) (2006.10.22)
文部科学省 2007(H19)年度 (2006年秋応募分)
- 特別推進研究
  - 新規
    　様式 S-1-1 (tar.gz), (zip) (2006.10.22)
  - 継続
    　様式 S-1-2 (tar.gz), (zip) (2006.10.22)
- 特定領域研究
  - 新規領域
    　様式 S-1-4 (tar.gz), (zip) (2006.10.27)
  - 継続領域　計画研究（継続）および
    平成18年度に研究領域の設定期間が終了する研究領域
    　様式 S-1-5 (tar.gz), (zip) (2006.10.22)
  - 継続領域　公募研究（新規）
    　様式 S-1-6 (tar.gz), (zip) (2006.10.27)
  - 継続領域　計画研究（新規）
    　様式 S-1-7 (tar.gz), (zip) (2006.10.27)
修正歴と、古いversionからの移行の仕方
古いファイルたち

動作環境

必要な環境

LaTeX2eが走ること
LaTeX2eについてくる、tools packageがインストールされていること
日本語を含むdviをpdfに変換できるdvipdfmxがインストールされていること。

動作が確認された環境

FreeBSD / platex
Linux / jlatex 1.9.1
Linux / platex
Mac OS X / platex
Windows XP / platex

取り込む様式の形式(EPS or PDF??)

図形として読み込む、応募様式の各ページ（枠や記入の説明のみで、その他は空欄）は、 EPSとPDFの両方のファイル形式を用意しています。 (EPS版は確実にどの環境でも動くので、defaultはEPS版に設定してあります。)

一般にPDF版の方が速くLaTeXの処理ができます。
PDF版の場合、xdviでは正しく見えませんが、新しいdvipdfmx を用いれば正しくPDFに変換できます。
どうしてもPDF版だとうまくファイルを生成できない場合や、EPS版の方が作業効率が高い場合は、EPS版を用いてください。フォントも埋め込んでありますので、環境によらず、きれいな出力ができます。
様式のファイル形式の切り替え方： (EPS版), (PDF版)

質問、コメント

FAQ: よくある質問集を見る。
マニュアルのFAQや説明も見てみる。
それでもわからない場合は、科研費マクロ&LaTeX掲示板に質問を書く。多数の、知識豊富な人たちが見ていますので、的確な返事が得られ、かつ疑問や解決策を共有できます。
それでもまだわからない場合は、学術システム研究センター・数物系科学専門調査班の山中　卓（阪大・理・物理）taku#hep.sci.osaka-u.ac.jp にメールを送ってください。(#は@に置き換えてください。 )
決して、日本学術振興会や文部科学省に問い合わせないでください。質問等に対応できません。