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KOTO Group@Osaka
Yamanaka-Taku Laboratory


| 概要 | 粒子反粒子とCP対称性 | KTeV実験 | E391a実験 | KOTO実験 |

粒子・反粒子とCP対称性

| 素粒子と反粒子 | 物質創成とCP対称性の破れ | CP対称性測定実験 | 標準理論を超えるCP対称性の破れ |

・素粒子と反粒子

 物質は原子からできていて、原子は原子核と電子からできています。原子核をさらに細かく見ると、原子核は陽子と中性子からなっています。 さらに細かく見ると陽子や、中性子はクォークと呼ばれる粒子からできていることがわかっています。 電子や、クォークなど、それ以上分けられない物質を構成する最小の単位を素粒子と言います。
 すべての素粒子には、「反粒子」という電荷の符号が異なり、質量やその他の性質は同じであるようなパートナー となる粒子が存在します。粒子から物質が出来るように、反粒子から出来る反物質も存在します。 粒子と反粒子が出会うと、その質量をエネルギーに変えて消滅します(対消滅)。 逆に、エネルギーから粒子と反粒子のペアを作ることも出来ます(対生成)。

・物質創成とCP対称性の破れ

 現在宇宙にある物質は、宇宙がビッグバンによって出来た際にエネルギーから創りだされたと考えられています。 はじめにエネルギーから作られた時には、粒子も反粒子も同数だけあったはずですが、現在の宇宙には我々の形を形作る、素粒子から出来た物質だけが残っています。 これは、粒子と反粒子の間にわずかな違いがあったために粒子のほうが反粒子よりも少しだけ多くなり、消滅から生き残ったからだと考えられています。  このような粒子と反粒子に対する物理法則の振る舞いの違いは、"CP対称性の破れ"と深い関わりがあると考えられています。
 CP対称性の破れの研究は、「なぜ私達が存在するのか」という問いの答えを探すことに他ならないのです。

・CP対称性の発見と小林・益川理論

 CP対称性の破れは、1964年にCroninとFitchによってアメリカ ブルックヘブン国立研究所での実験で発見されました。 この破れを説明する理論として、小林誠、益川敏英両氏による小林・益川理論と、超弱モデルなどが考えられました。 小林・益川理論は、CP対称性の破れがクォーク間での「弱い相互作用」に由来すると考える理論であるのに対し、 超弱モデルは、超弱作用という新たな相互作用があるとしてそれがCP対称性を破るとする理論でした。
 どのモデルが正しいのかを調べるために、様々な実験が行われました。
 K中間子の崩壊を用いて、アメリカ フェルミ国立研究所(FNAL)でのKTeV実験と、欧州原子核研究機構(CERN)のNA48実験が行われました。 また、B中間子の崩壊を用いて、日本の高エネルギー加速器研究機構(KEK)のBelle実験と、アメリカ SLAC国立研究所のBaBar実験が行われました。
 これらの実験により、小林・益川理論のほうが正しいことが確かめられました。こうして小林・益川理論が素粒子物理学の標準理論に組み込まれました。
大阪大学高エネルギーグループはBelle実験とKTeV実験に参加し、 その中でもK中間子崩壊実験グループ(山中グループ)はFNAL KTeV実験に日本から参加する唯一の実験グループとして、実験に貢献してきました。

KTeV実験に関しては、こちら


・標準理論を超えるCP対称性の破れの探索

 こうして、今まで実験で見えているCP対称性の破れは、標準理論によってうまく説明できることがわかりました。 しかし、標準理論で説明できるCP対称性の破れの大きさでは、現在の宇宙の物質の多さを説明するには足りません。 このため、標準理論とは別の過程でCP対称性を破る物理の発見が期待されています。
 我々は、中性K中間子の稀崩壊を観測することで、この標準理論を超えた新たな物理を探ろうとしています。 そのための実験が、KEK-PS E391a実験と、J-PARC E14 KOTO実験です。


Last updated 2012/01/30 Top /Go to Takulab top