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[OS X software review]
Mac OS Xの上のVimで日本語を使う
1. Vimとは
Vim (Vi IMproved)は、
ターミナルを用いるテキストエディタです。
キーボードから手を離さずに(マウスを使わずに)編集ができ、
正規表現も扱える文字列の変換など、非常に強力な機能を持っています。
かつ、emacsに比べて立ち上がりも速いので、快適です。
Mac OS X 10.3 (Panther)からは、
Terminalで日本語の入力と表示もできるように
なったので、少しの下準備で、Vimを使って日本語の編集ができるようになります。
2. Vimのインストール
2.1 Leopard (Mac OS X 10.5)とTiger (Mac OS X 10.4)の場合
LeopardとTigerに入って来るVimは、日本語を扱えますので、次に示す「3. Vimの設定」に移ります。
2.2 Panther (Mac OS X 10.3)の場合
Panther に入ってくるVimは、あいにく日本語を扱うことができませんので、
日本語化されたVimをインストールします。
- 日本語化したVimのパッケージ(jx-20040517.dmg.gz)を
Hiroto Sakai氏のサイトからdownloadする。
- 展開された"jx"のディスクの中のvim.pkgをdouble clickし、
vimをインストールする。(/usr/local/bin/の下に入る)
- PATH環境変数の中で、/usr/local/bin/を/usr/bin/よりも前に設定する。
- Terminalで、% echo $PATHとして、例えば
/usr/local/bin:/bin:/sbin:/usr/bin:/usr/sbin:/usr/X11R6/bin
のように、/usr/local/binが/usr/binよりも左にあれば、何もしなくてよい。
- そうでなければ、% echo $SHELLと打ってみて、次の場合に従った
設定をする。
/bin/tcshの場合、
/bin/bashの場合
- Terminalで
% which vim
と打って、/usr/local/bin/vim
と出れば、OK。もし /usr/bin/vim と出たら、上の「3」で説明した通りになっているか、確かめる。
/usr/bin/vim と出、かつ使っているshellがtcshで、かつ
/usr/local/binが/usr/binよりも前にあれば、
% rehash
と打ち、vimが/usr/local/binの下にあることをシステムに(?)教える。
3. Vimの設定
- ~/.vimrcというファイルに、
指示に従い、
次の3行を入れる。
:set enc=utf-8
:set fenc=utf-8
:set fencs=iso-2022-jp,euc-jp,cp932
viやemacsを知っていれば、それを用いて行う。
知らない場合は、Terminalで次のように打つ。(%はプロンプトなので、打たない。)
% cd
% cat >>.vimrc
:set enc=utf-8
:set fenc=utf-8
:set fencs=iso-2022-jp,enc-jp,cp932
ctrl-d (ctrlキーを押しながらd)
- 更に便利な設定:
ファイルの種類(c, perl, など)を見て編集の時に書式をきれいにしたり、
一つ前のバックアップをとったりするために、私は .vimrcの中身を次のようにしている。
:filetype on
:autocmd FileType c,cpp,perl set cindent
:autocmd FileType python set tabstop=4 shiftwidth=4 expandtab
:set autoindent
:set shiftwidth=4
:set backup
:set enc=utf-8
:set fenc=utf-8
:set fencs=iso-2022-jp,euc-jp,cp932
4.1 Mac OS X 10.5 (Leopard)の場合
- ターミナル(Terminal)を立ち上げる。
- 環境設定を選び、「設定」の下の「詳細」のパネルで
「非ASCII入力をエスケープ」のチェックを外す。
- 同じく「詳細」のパネルの下の「文字エンコーディング」は
Unicode (UTF-8) を選んでおく。
4.2 Mac OS X 10.4 (Tiger)かそれ以前の場合
- ターミナル(Terminal)を立ち上げる。
- ファイル>情報を見る(File > Show Info)を選び、
ターミナルインスペクタ(Terminal Inspector)を出す。
- インスペクタのパネルで「エミュレーション(Emulation)」を選び、
「非アスキー文字をエスケープする (Escape non-Ascii characters)」の
チェックをはずす。
- インスペクタのパネルで「ディスプレイ(Display)」を選び、
「ワイドグリフは2桁とカウントする (Wide glyphs count as 2 columns)」と
「日本語や中国語などにワイドグリフを使用する (Wide glyphs for Japanes/Chinese/etc.)」をチェックする。
- Pantherの場合は、同じく「ディスプレイ」の中の「フォント設定...」ボタンをクリックして、
フォントの大きさを10pt以外にする。フォントはMonaco Regularのままでよい。
(Pantherでなぜか10ptのままだと、文字を打ち込んで行く時に、カーソルの右側に
新しい文字が表示されるので。Tigerの場合は、この問題はないので、フォントの大きさの設定は不要)
- 最後に、一番下の「設定をデフォルトとして使用」ボタンを押す。
5. Vimを使う
- % vimと打つと、日本語の使えるvimが走ります。(% vi と打つと、もとの/usr/bin/viが走る)
- % vimtutor と打つと、tutorialが走るので、基本的な操作を学べる。
- 解説書
- "Vi IMproved - Vim", by Steve Oualline, New Riders (2001), ISBN: 0-7357-1001-5
初歩的なところから、中級、上級と段階的に、ていねいに書かれている。(図に誤りは多いが、
正誤表はある)
- "Vi IMproved - Vim 完全バイブル", 上の和訳、技術評論社 (2004)、
ISBN:4-7741-2018-9
- "Learning the vi Editor (6th ed.)" by Linda Lamb, Arnold Robbins,
O'Reilly
- "入門vi 第6版", 上の和訳、ISBN: 4873110831
- Seven habits of effective text editing
2007-03-13 Taku Yamanaka