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Mac OS X 上のLaTeXで外字、異体字を使う方法

Mac OS X は10.2.4以降でAdobe-Japan1-5対応のヒラギノProシリーズのフォントが入っているので、フォントの設定をいじらなくても簡単に外字、異体字が使える。 shift-jisにない漢字を、Mac OS XのpLaTeXを用いて書くには、次の様にして utf もしくは otf パッケージを用いる。

1. 下準備

1.1 utf パッケージを使う場合：

小川氏のサイトから、「pTeX(sjis) + JMacros package for Mac OS X」をダウンロードしてインストールしてあれば、 utf.styは既に入っているので何もしなくてよい。

1.2 utfパッケージの機能強化版のotf を使う場合：

小川氏のサイトから「OTF.sty for Mac OSX」をダウンロードする。
ダウンロードされた otfs20070324.dmg (日付の数字は変わる可能性あり）をダブルクリックし、ディスクとしてマウントされた "otfs20070324" の中の otfs.pkg をダブルクリックしてインストールする。
otf.sty の居場所が認識されるように、アプリケーション　フォルダの中のpdfmFontChangerを走らせる。 pdfmFontChangerは、小川氏のサイトからpTeX(sjis) + JMacros package for MacOSX をダウンロードしたときに、いっしょについて来る。
ajmacro (などの合字、丸付き文字、記号などが書ける）の使い方は、otfs20070324 の中の otfmanual.pdf を参照のこと。

2. utf もしくは otfパッケージを読み込む

LaTeXのソースファイル中のパッケージを読み込んでいる所に次の１行を追加する。
```
	¥usepackage{utf}
					
```
もしくは
```
	¥usepackage{otf}
					
```

3. 使用例

文字の指定には、UTF コードを用いる方法と、CID のコードを用いる方法がある。 UTF コードは ¥UTF{....}、CID コードは ¥CID{....} で入力する。
LaTeXのソースの中にたとえば
```
	¥UTF{9AD9}¥UTF{FA11}と
	住¥CID{13706}
							
```
と入れてタイプセットすると、
のように「梯子の高」、右上が「大」ではなく「立」の「崎」からなる高崎、
および下の棒が長い「吉」の住吉が表示される。

4. UTF, CID 文字コードの探し方

4.1 表から探す

個人的に遭遇した外字、異体字
「Adobe Japan 1-6とUnicode - 異体字処理と文字コードの現実」（安岡孝一、最後に人名用漢字の異体字の表がついている)
部首・画数の順に並んだ CID コードの表 [安岡孝一、京大21世紀COE「漢字文化の全き繼承と發展のために」]

Mac OS XのPreviewなら、似た文字を検索すると楽。たとえば、下の横棒が長い「吉」は「吉」で検索すると同じ行に見つかり、そのCIDコードは13706 であるとわかる。
CID文字コード順の表 [Adobe] もあるが、これから目的の漢字を探すのは大変。

4.2 Mac OS Xの文字パレットから UTF コードを探す

Mac OS X の上のメニューバーの「あ／ア／A」の下から「文字パレットを表示」を選び、
表示：日本語
を選ぶ。
似た漢字（梯子の高なら、普通の「高」を、文字パレットの一番下の虫眼鏡の横に入れてリターンキーを押す。
「関連文字」の中で「梯子の高」を選び、下に表示される "CJK-UNIFIED IDEOGRAH-"の次にある「9AD9」がUnicodeの文字コード。
この他にも、部首や画数で探す手もある。
```
	¥UTF{9AD9}
						
```
のように、文字コードをLaTeXのソースコードに入れる。
たとえば、下の横棒の方が長い「吉」などは、文字パレットで探すと 20BB7 という５桁の文字コードが見つかる。しかし、¥UTF{20BB7} としても別の文字が表れる。こうした場合は、上の表からCIDコードを探して
```
	¥CID{13706}
						
```
を用いる。

Updated: 2008-12-28: Taku Yamanaka