[Home] / 教授でもできる... / その他LaTeX関連 / 異字体
Mac OS X 上のLaTeXで外字、異体字を使う方法
Mac OS X は10.2.4以降でAdobe-Japan1-5対応のヒラギノProシリーズのフォントが
入っているので、フォントの設定をいじらなくても簡単に外字、異体字が使える。
特殊な漢字を、Mac OS XのpLaTeXを用いて書くには、次の様にして
otf パッケージ を用いる。
TeXShopだと、実は文字コードパレット(3.2参照)を使って、異字体を直接LaTeXのソースファイルに書いてしまうこともできる。
その場合、実はTeXShopはotfパッケージで使う\UTF{...}や\CID{...}を用いてソースファイルを書いている。
従って、sjisを使っているWindowsの人とファイルをやり取りすることもできる。(Windowsの人が必要なフォントを持っている必要はあるが)
1. ヒラギノフォントを埋め込む
作成したPDFファイルを人に渡しても文字化けしないように、異字体を網羅した
ヒラギノフォントをPDFに埋め込むように設定しておく。
2. otfパッケージを読み込む
- otfパッケージは、LaTeXのinstallationで紹介したMacTexでも小川版のUpTeXでも標準で入っているため、
別途インストールする必要はない。
- LaTeXのソースファイル中のパッケージを読み込んでいる所に次の1行を追加する。
\usepackage{otf}
3. 使用方法
- Mac OS X の上のメニューバーの「あ/ア/A」の下から「文字パレットを表示」を選び、
表示:日本語
を選ぶ。
- 似た漢字(梯子の高なら、普通の「高」を、文字パレットの一番下の虫眼鏡の横に入れて
リターンキーを押す。
- 現れた、使いたい文字をダブルクリックすれば、その文字がLaTeXのソースファイルに入ってそのまま表示される。
目に見えるのは上の例だと梯子の高だが、実際にファイルに書かれているのは\UTF{9AD9}である。
4. コードをあらわに書く方法と、そのためのUTF, CID コードの探し方(凝りたい人向け)
TeXShopは勝手に内部で\UTF{...}、\CID{...}に変換してくれているが、どうしても自分でコードをあらわに書きたい場合は以下のようにする。
4.1 コードの書き方
4.2 表から探す
4.3 Mac OS Xの文字パレットから UTF コードを探す
- 3で示したように、Mac OS X の上のメニューバーの「あ/ア/A」の下から「文字パレットを表示」を選び、
使いたい文字を選ぶ。
- 選んだ文字の下に表示されるコード(たとえば「梯子の高」の場合は
"CJK-UNIFIED IDEOGRAH-"の次にある「9AD9」)がUnicodeの文字コード。
- この他にも、部首や画数で探す手もある。
\UTF{9AD9}
のように、文字コードをLaTeXのソースコードに入れる。
- たとえば、下の横棒の方が長い「吉」などは、文字パレットで探すと
20BB7 という5桁の文字コードが見つかる。
しかし、\UTF{20BB7} としても別の文字が表れる。
こうした場合は、上の表からCIDコードを探して
\CID{13706}
を用いる。
5. 興味があれば...
異字体やそれらも表せるUnicodeに興味がある方に。
Updated: 2013-12-14: Taku Yamanaka