LHC ATLAS実験チームが、2025年 基礎物理学ブレークスルー賞を受賞しました!!

自然科学の国際的な学術賞「ブレークスルー賞」が4月5日に発表され、その基礎物理学部門に南條研究室の南條教授、増渕准教授、廣瀬助教を含む国際共同実験グループが選ばれました。 欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使った4つの実験グループ(ALICE, ATLAS, CMS, LHCb実験グループ)が受賞しましたヒッグス粒子の精密測定による質量生成機構の解明など、2015年から2018年のLHC第2期運転のデータに基づく論文の成果が評価されました。大阪大学からは理学研究科物理学専攻の南條グループがATLAS実験に参加し、ヒッグス粒子の性質の解明や新粒子の探索、半導体検出器の運転とアップグレードなどに貢献しています。 ATLAS実験では2026年までLHC第3期運転でのデータ取得を続けます。そののち、LHCを高輝度化し、ATLAS検出器をアップグレードし、2030年から第4期運転でのデータ取得を始める予定です。南條グループも、第3期運転での検出器の運転、データ解析、第4期運転に向けた検出器の準備を進めています。


増渕准教授のコメント
(2017-2019 ATLAS Hbb解析グループリーダー、2021-2023 ATLAS Higgs解析グループリーダー)
「この度の受賞は、ATLAS実験に関わったすべての研究者の協力の賜物だと思います。第2期運転のデータでヒッグス粒子の測定精度が大きく向上し、質量生成機構の解明に一歩迫ることが出来ました。 しかし、ヒッグス粒子にはまだ未知の性質が潜んでいる可能性があり、データ量が10倍以上になる将来実験で未知の物理現象に迫れると期待して準備をしています。」

リンク :

ATLAS実験
ATLAS日本グループ
ブレークスルー賞公表記事
ATLAS実験からのプレスリリース