1987年2月23日、神岡実験は大マゼラン雲で発生した超新星爆発 によるニュートリノを11例、世界で初めて観測しました。これは、ニュー トリノを観測手段とするニュートリノ天文学の幕開けといえます。
この超新星爆発は、太陽の約20倍の質量を持った星が、その一生の最 後に起こした大爆発でした。このとき、太陽が45億年間に放出する全エネ ルギーの1000倍にも達する膨大なエネルギーが、約10秒間にニュート リノとして放出されたことがわかりました。これは、超新星爆発に関する天 体物理学の予想とほぼ一致していました。また、この観測によりニュートリ ノの質量の上限(約20電子ボルト以下)が得られるなど、素粒子物理学へ も非常に大きな貢献をしました。