A Study of Muon Ionization Cooling at MICE

坂本 英之  (物理)

Abstract

ニュートリノ振動を高精度で研究するために、高エネルギーミューオン蓄積リングによるニュートリノファクトリが提唱されている。これまでに実証されていない、イオン化冷却によるミューオンビームのエミッタンス削減はニュートリノファクトリを実現するための重要な要素である。そこでイオン化冷却法を実証するために国際共同実験MICE(Muon Ionization Cooling)実験が提案されている。MICE実験では10%のエミッタンスを0.1%の精度で測定する。
 この測定精度を満たすために、350ミクロン径のシンチレーティングファイバーを用いたSciFiトラッカーが提案されている。このような極細ファイバーを用いたトラッカーはこれまでになく、製作には非常に革新的な技術が要求される。2008年までにイギリス、アメリカ、日本の国際共同のもと製作され、2009年までにおこなった宇宙線テストにより、95%以上の検出効率を測定するのに成功した。また宇宙線テストで見つかったアライメントを補正することにより、MICE実験の要求する測定制度を満たすことがわかった。