ちなみに、この文書読むまえに「とりあえず使ってみる」を読んで下さい。ここでは、e391a libraryを使うための設定と環境変数MY_TOP_DIRが設定されていることを前提としています。
gsim-e391aのコンセプトは、どんな粒子を入れて、どういった崩壊をさせて、E391a Detectorのどこを使ってシミュレートさせるかをgsim.datで柔軟に設定して、基本的な物理量(崩壊してできた子粒子の種類や運動量、方向、CsIに当たった粒子の数・・・)をとりあえず書き出すことです。ですから、gsim-e391aでは、質量を計算するとかvertexを計算するとかはやってくれません。
実際に解析するときには、gsim-e391aを使って書き出されたHBOOKファイルを、自分の解析コードに通してやって、解析します。
なんともうれしいことに、e391a libraryには簡単な解析ツールのサンプルコードが用意されています。
この解析ツールのインストールはいたって簡単で、適当なディレクトリにソースコードをもってきて、makeするだけです。サンプルコードは、$E391_TOP_DIR/examples/simpleana/にあります。例えば、
[hoge@justice]> mkdir $MY_TOP_DIR/analysis
[hoge@justice]> cd $MY_TOP_DIR/analysis
[hoge@justice]> cp $E391_TOP_DIR/examples/simpleana/* ./
[hoge@justice]> cd gmake
とすれば、$MY_TOP_DIR/analysis/以下にサンプルコードが展開され、gmakeでインストールされます。
解析コードの使い方やサンプルコードでは何をやってくれるかは、ソースコードを読んで理解してください。
ソースコードを見ると分かるのですが、解析コードでは2つの特徴があります。
- e391a libraryについてくるTupleManagerを使うことで、HBOOK(特にNtuple)を簡単に扱える。gsim-e391aが書き出したHBOOKファイルを解析ツールで読み込むところも、このTupleManagerのおかげで、非常に簡単に行なっています。
- CLHEPライブラリーを用いて、Lorentz変換を始めとする高エネルギー物理でよく使う計算を簡単にできる。
これらの特徴を生かせば、結構いろいろな解析ができます。
ただ、Lorentz変換くらいはCLHEPを使わずに自分で計算できるようにしましょう。(>_<)
おしまい。(2002/05/07, kensh)