IUPAP C16 報告

2003.12.26 犬竹正明

  1. C16(プラズマ物理)委員会は、通常IUPAP支援の大きな国際会議の会期中に開催。2003年7月15-20日、第26回電離気体国際会議(ICPIG2003)がバルト海に面したドイツの小古都Greifswaldで開催された。7月15日にC16委員会を開催。ChairであるProf. A. Senは欠席, 出席者はSecretary のProf. R. Weynants とMember犬竹など4名、および現地組織委員会委員長等3名の計7名であった。なお、発熱で欠席したMemberのProf. P. Shukulaの代理としてProf. M. Koepkeが出席した。
  2. 現地組織委員会報告:(委員長Prof. J. Meichsner)今回のICPIG2003への参加者は43カ国から414名および同伴者21名。日本からの参加者は57名でありドイツの137名についで多かった。東ヨーロッパおよびその他の発展途上国からの参加者95名に財政支援、59名には登録費を免除。なお、招待講演者および何人かのワークショップ講演者にはある程度の財政援助がなされた。また、学生参加者の登録費は250 Euro(早期一般登録費350 Euro)で、105 名の大学院生のうち26名に財政援助。なお、財政援助組織はIUPAPを含め11組織。1998年に創設されたVon Engel Prize 2003(賞状と$1000)が英国のProf. J. Allenに、また、今回から、「実験、モデリング、理論」の3分野の“Best Poster Awards”が最終日に授与されることになった。
  3. 次回のICPIG2005国際会議の準備状況報告:IUPAP支援で、2005年7月18-23日オランダで開催予定。会議登録費は400$以下。C16委員会からの要望として、若手および途上国研究者への一層の財政的支援とともに、ポスター会場における車椅子での容易なアクセスに配慮することを要望。
  4. 1月のIUPAP Council報告(Chairからのメモに基づく):
      プラズマ物理の重点分野:HILPI ( High Intensity Laser-Plasma Interaction)、ITER(国際熱核融合炉)、ダストプラズマ、磁力線再結合、乱流などにおける進展状況を報告。10月のIUPAP CouncilでITER計画推進の重要性を発表予定。C16がLead Commissionとして関与するHILPIに関して、10月のCouncilで新ワーキンググループ結成が正式に承認される予定。
  5. Associate memberの候補者選定:
      地理的重要性とプラズマ物理における活動度を考慮してロシアから、また、分野を考慮して宇宙プラズマや一般プラズマ物理から選出するのが望ましい。数人の候補が出されたが、各メンバーからの推薦を帰国後1ヶ月以内に提出すること。
  6. Women in Physicsに関する討議:
    IUPAP支援の国際会議では適当数の女性代表を国際および現地組織委員会に入れることで合意。
  7. 発展途上国における物理学の振興について:
    現状では、発展途上国からの会議参加者はインド、イラン、その他わずかな途上国に限定されている。今回のICPIG2003には、アフリカから12名の登録者がいたが、論文発表がないため招待状を出さなかった。IUPAPの役割として、論文発表がなくても発展途上国からの参加者を受け入れることを要望。
  8. ITERなどに対するIUPAP/ ICSUの役割:
      ICSUはエネルギー問題を重要課題として取り上げているので、IUPAPとしてITERを支援するべきと考える。最近、中国、韓国、米国が参入したのでより広い国際協力となる。IAEAの下にあるIFRC(International Fusion Research Council)は、発展途上国からのより広い参加をよびかけるフォーラムを開催すると思われる。
  9. IUPAP支援の国際会議について:
      予定通りIUPAP支援で、12th International Congress on Plasma Physics (ICPP2004),が、10月25-29日にフランスのNiceで開催予定。
      4th International Conference on Dusty Plasmas, France, 2005など、IUPAP支援を希望する幾つかの国際会議名が出されたが、支援の基準がはっきりしていないので、例えば、Directory of Plasma Conferences of IEEEなどを参照して、支援候補となる会議をもっと広く見渡してから決める必要があることで合意した。